第23回広島市立大学芸術学部卒業・終了制作展

広島市立大学の卒展が終了した。

今年は何といっても、漆造形の門前佑奈さんが最優秀賞で作品買上げになったことが、私個人としても嬉しい事だった。
作品は1mほどの大きな蟹『自在漆置物・高脚蟹』です。
脚が1ッ本づつ自在に動く作りにして、乾漆技法で漆を黒漆や箔も織り交ぜながら何度も重ね塗りしたのでしょう、深みのある漆色に仕上がっていました。
Monzen 
私が最初に彼女の作品を見たのは、3年生の時に創ったやはり蟹の自在置物作品でした。そして次は、私のギャラリーで昨秋展覧会をした時、同じく蟹の自在置物を作って展示してくれた時です。ですから、おそらく彼女は少し小ぶり(と言っても50cmくらい)のものが2つ、そして最後に卒展で大きなものを1つ、計3匹作ったのだろうと思います。
正に、ホップ・ステップ・ジャンプで最優秀賞を獲得したことになります。素晴らしい。


今年の油絵は、写実作品が多く、佳作が多かった気がします。
院生の濱元裕佳さんは、学部の時も″ぬいぐるみ”の絵でしたが、今回も″ぬいぐるみ”の絵でした。
彼女の部屋にはどれだけ″ぬいぐるみ”があるのか、訊いてみたいものです。今回は、少し″ぬいぐるみ”の数を絞り、人物も足だけにして絵の中に画意を持たせ洗練された表現になっていたように感じました。

大学の方での展示では、日本画の院生、松岡円香さんの山の絵『Joy to the World』は、さすが山の好きな彼女ならでは作品で、登山の喜びが活き活きと大画面に出ている。確か大学で山岳部に所属していたと聞いていましたが、やはり好きなものをモチーフにして、その想いを絵にすればその気持ちが絵に乗りうつるのでしょう。卒業制作でなく30号の、やはり山の絵が原爆病院の買上げになったとのこと。今度、原爆病院へ行ったら必ず見てみましょう。

もう一つ大学での展示では、5Fの彫刻部屋で高見真由さんの『最新のオールドファッション』像が印象に残りました。
この作品を会場に入ってパッと見た時、佐藤忠良の『群馬の人』が頭によぎりました。
202001



 

 

2020年2月 4日 (火)

『再興 第104回院展』福屋百貨店

2020年の新年を飾る恒例の『院展』が、今日で終了した(2月4日)。 今回は、市立大学の前田力先生が大観賞を受賞されたことが一番のトピックスだろう。 前田先生の絵は、広島のどこかで見た景色を多重に描き...

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2019年12月 5日 (木)

『岸田劉生展』ひろしま美術館

岸田劉生没後90年ということであちこちで゛劉生展”が開催されている。広島ではひろしま美術館が『岸田劉生展』を開催中(2020年1月13日まで)。山口でも山口県立美術館で『劉生展』を東京ステーションギャ...

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2019年11月25日 (月)

バレルコレクション『印象派への旅』広島県美

イギリス・グラスゴーで海運王と言われたバレル氏のコレクションから80点『印象派の旅』と題して広島県立美術館で巡回展として展覧されている(2020年1月26日まで)。3ヶ月に近いロングラン展である。  ...

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2019年11月 1日 (金)

中野渡尉隆展「星・雪・水蒸気」

非常に珍しいというか私は初めて見る展覧会でした。 広島市立大学芸術資料館で開催されている絵画展というよりインスタレーションというか新しい芸術展だと思います。 最近、広島市立大学芸術学部に講師として来ら...

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2019年10月18日 (金)

『石本正日本画大賞展』浜田市立石正美術館

第5回になる全国美術系大学生からの応募展『石本正日本画大賞展』が石正美術館であった(10月14日終了)。中国新聞に受賞作が掲載されていたが、やはり実物を見てみたいと思い最終日に見てきた。 大賞の『移ろ...

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2019年10月13日 (日)

『平野薫のコイノボリ』広島MOCA

  糸を紡ぐのではなく、逆に布を糸にほぐし戻す平野薫氏の作品、『無題』となっていますが、それは『KONOBORI』です。広島市立美術館の通路で無料でも見ることができるように展示してあります。 緋鯉と墨...

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『インポッシブル・アーキテクチャー』広島市立現代美術館

『インポッシブル・アーキテクチャー』という、私にはタイトルだけでは何の展覧会なのか分からない展覧会が広島MOCAで開催中(12月8日まで)。 良く分からないが、出品作家に゛会田誠”゛山口晃”の名前があ...

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2019年10月 4日 (金)

『第74回春の院展』広島そごう

『春の院展』が巡回してきた(10月6日まで広島そごうで)。 同人の先生方の作品は、さすがに素晴らしい。もう八十路を越えた方も、まだまだと創作に励んでおられることだけでも感動します。 今年の図録の表紙は...

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2019年9月20日 (金)

『印象派、記憶への旅』ひろしま美術館

ポーラ美術館とひろしま美術館の共同企画『印象派、記憶への旅』展が開催中(10月27日まで)。 印象派の展覧会は、まだまだ人気があります。私が行った時も大勢の人で賑わっていました。 今回は、ポーラ美術...

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2019年9月11日 (水)

『広島浅野家の至宝』県美で

浅野家が広島に入城して400年になるのを祝い『浅野家の至宝』展が広島県立美術館で始まった。オープンニングの式典には、初めて県庁から副知事、県会議長まで列席して開かれた。式典の進行役も、私の知る限りでは...

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2019年8月14日 (水)

『クレパス画名作展』呉市立美術館

呉市立美術館でクレパス画の特別展をやっている(8月25日まで)。 これは、サクラクレパスが、ある意味クレパスの普及と制作の可能性追求のため著名な画家に依頼し、クレパスを使って描いてもらった作品展です。...

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2019年7月13日 (土)

『追悼水木しげる ゲゲゲの人生展』広島県立美術館

夏休み向け企画として広島県立美術館では『追悼水木しげる ゲゲゲの人生展』が始まった(8月25日まで)。 昨夏は『ジブリの大博覧会』でした。ものすごい来場者で、私たち県美友の会の者も人ごみの中を掻き分け...

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2019年6月 9日 (日)

『山口啓介 後ろ向きに前に歩く』広島市現代美術館

広島MOCAで3ヶ月ロングラン展示(6月8日~9月4日)の『山口啓介 後ろ向きに前に歩く』が始まった。      残念ながら私はこの作家さんは存じ上げていない。しかし、タイトルが面白いのとゲーテや三木...

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2019年5月24日 (金)

ひろしま美術館の「稲田コレクションギャラリー」

ひろしま美術館では、印象派を中心とした作品は円形の本館に常設展示していますが、この春から別館1階西側の一室を日本画の常設展示場にしています。 広島にゆかりがあるわけではないがひろしま美術館が気に入った...

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2019年5月22日 (水)

『みんなのレオ・レオーニ展』ひろしま美術館

ひろしま美術館では『レオ・レオーニ展』が開催されています(6月2日まで)                                    。 小学校の教科書にも魚の「スイミー」物語が載っているの...

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2019年5月21日 (火)

『美術館の七燈』広島MOCA

  広島現代美術館が開館30周年を記念して『美術館の七燈』という特別展を開催している(5月26日まで)。  入口の長い文章の懸垂幕   花を満載した自転車の展示作品「違法駐輪やめよう」。ボテロさんの...

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2019年4月29日 (月)

『第54回 春の日本画展』広島信用金庫

4月1日から始まった広島信用金庫の『第54回春の日本画展』も終わりに近づいた(4月30日終了)。 今回は2回見た。無料であれだけの作品を見ることができるのは、有難い。 サイズも10号から50号くらいま...

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2019年4月14日 (日)

『国芳から芳年へ』広島県立美術館

広島県立美術館で『挑む浮世絵 国芳から芳年へ』が始まった(2019年4月13日~5月26日)。 今回の浮世絵は、名古屋市博物館所蔵の高木繁コレクションと尾崎久弥コレクションが巡回してきたもの。会場でも...

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2019年3月26日 (火)

『平成から未来へ 野田弘志リアリズムの軌跡展』市立大学

広島市立大学創立25周年記念として『平成から未来へ 野田弘志リアリズムの軌跡展』が、同大の芸術資料館で開催中(4月5日まで)。  野田弘志先生は、ご高齢の上にお忙しいということでしょう、今回は広島には...

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2019年3月25日 (月)

『平和大通り芸術展2019』

昨年に引き続き、今年も『平和大通り芸術展2019』が開催された(3月24日終了)。 今年はホテルサンルート、プラザホテル、三井ガーデンホテル、オリエンタルホテルなどホテルを会場にした作品展示もあった。...

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